#001 コマイヌ

    動物・幻獣

    その起源はバビロンの守門獣に由来するのではという説もあり、ライオンを守り神的においたのがはじまりと言われています。中東の王を守るライオン、インドの仏を守るライオン、そして仏教伝来とともに、仏を守る獅子(ライオンを漢字にすると獅子になります)、これが狛犬が生まれたというのがよくある説です。

    実は、アラビア半島付近からインドから中国大陸から日本列島まで人類の世界がつながっていたことをしめすものでもあるわけです。

    狛犬の役割は守り神です。

    形状、どっちかというと犬よりライオンよりだと思いますが、なぜこま犬という名前で定着したのかは謎です。狛犬は大陸から入ってきた時の獅子座(星座じゃなくて仏様の玉座を獅子座と表現します)の獅子の時点では左右均等でした。

    いつしか、口あけてる「あ」と、閉じてる「うん」のセットに。獅子と角のある狛犬のセットにかわっていきます。(最初は角なしのほうは獅子とは別の狛犬という幻獣として認識されていました)

    日本文化の特徴に「不均等の均衡の美を好む」という傾向があります。寺社建築の入口に仁王さんや随身がいたりしますが、基本的に左右の衛兵的なガーディアンは、ちょっと違う格好をしています。京都御所の庭に植えられている「右近の橘に左近の桜」なども「不均衡の均衡」の一例でしょう。密教の胎蔵と混合の2つで1つな曼荼羅も不均衡の均衡の1例だと思います。

    左右対称のバランスではなく左右不均衡なバランスに美や魅力を感じるという文化が続いているわけです。この不均衡でこそバランスするという感覚は、日本という美しさを見る上での重要なキーワードの1つでしょう。

    狛犬、神使をもってあてる習慣もあって、日枝神社だとサル、伏見稲荷なら狐、三峰神社ではオオカミ、という風にお使いになっていることもあります。靖国神社はドラゴンみたいな狛犬もいた気がします。いずれも「ガーディアン」としての役割のものなので犬以外のものもあります。

    神社やお寺巡りの際は、狛犬はとにかくみんな表情が違うので狛犬の観察や撮影はちょっとした楽しみになりやすい所だと思います。

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